9月12日(火)稲を整える

 こんにちは、今日は中塚がお伝えいたします。

 この日、集会所では新たな作業が始まりました。入江さんの田んぼで収穫された稲が集会所に運び込まれており、そこから良質な稲を選定する作業を行いました。稲に付いている細い葉を落とし、穂の状態があまりよくないもの、黒かったり、白く中身が無いもの、穂が十分成長していない稲をよけていきます。

 

【写真①】積まれた稲(写真右下の稲のような状態にします)

 

【写真②】葉を取り除いていきます

 

【写真③】中身が入っていない穂

 

【写真④】黒く変色したもみ

 

 入江さんによると、白いもみは、スズメや虫に食べられてしまい中身がスカスカの状態で、黒いもみはカメムシにやられてしまったものだそうです。

 また、今年の夏は雨が少なく気温が高かったため、稲の収穫を例年より10日程度早めたそうです。「それ以上収穫を待ってもいい状態にはならない。」「もみの大きさは全体的に小さめ。」(入江さん談)

 この作業は6人で行い、シンプルな作業ですが、稲の数は大変多く、丁寧さが求められました。

 

【写真⑤】ある程度の数で束ねる

 

【写真⑥】竿に吊るして保管する(竿の両端には「ネズミ返し」がある)

 

 神輿に使用する農作物の量、質、収穫時期は、気候などの自然条件に大きく左右されます。毎年全く同じものができるわけではなく、決まったタイミングで収穫できるとも限りません。しかし、夜なべは例年、同じ時期に行われます。「今年はこのような状態だから、こうしよう」という話し合いを重ねながら瑞饋神輿の準備は進められます。そこには保存会のみなさんの柔軟な対応と受け継がれてきた知恵を見て取ることができます。

 この日選別を経た稲は、次の段階では決まった本数に束ねられ、最終的に真紅の装飾として取り付けられます。

 

【写真⑦】白の千日紅で表現される「天満宮

 

 今回の作業では多くの稲を使用しました。その稲の生産者である入江さんに保存会の歴史について教えて頂きました。

 

【写真⑧】一番右が入江さんのご祖父様(昭和20年代

 

【写真⑩】(左から)昭和8年、32年、58年撮影の保存会の集合写真

 

 集会所にはたくさんの写真が飾られています。入江さんのご家族は代々保存会に参加されており、昔の保存会の集合写真にもご親戚がたくさん写っています。西之京で暮らし農業をされている入江さんからもっとたくさんお話をうかがいたいと思いました。

 今日はここまでです、それでは。