9月23日(土)細工づくりの見学

 こんにちは、本日は中塚がお伝えします。

 この日は、会員の清水さんと竹尾さんのお宅をお伺いし、細工づくりを見学しました。

 まず、清水さんのお宅をお伺いしました。ご自宅の3Fの自室(作業部屋)に案内していただきました。毎年ずいき祭の季節になると、細工づくり用に床にビニールシートを張り作業場のスペースを作られるそうです。

 

【写真①】清水さんの作業スペース

 

 清水さんのお部屋でまず目をひかれたのは、整然と分類された材料です。非常に丁寧に分類されていました。豆、どんぐり、松ぼっくり八角から青のりまで小さなケースで小分けされ、まさしく博物学の世界でした。

 また、葉っぱなども分類されているのですが、興味深いことに種類ごとではなく、色別で分類されていました。黒・赤・白・緑といった色別に分類されていました。

 

【写真②】小分けされた材料

 

【写真③】緑

 

【写真④】赤

 

 清水さんは、集めた材料を独自の方法で乾燥させています。タッパーにドライフラワー用の乾燥材を入れ、その中に乾燥させたいものを沈める、というものです。乾燥剤と材料の細かな部分(種など)が混ざらないように、排水溝用の金属ネットの中に材料が入れられており、とてもユニークだと思いました。

 

【写真⑤】葉を乾燥させる

 

 1時間ほど今年の細工づくりの様子をじっくり見学させていただきました。今年の人形細工の完成品は当日までのお楽しみです。
 
 また、清水さんが作業を進めるうえで、大事にされていることもお伺いできました。清水さんは、細工づくりを進めるうえで、いきなり立体を作り始めます。設計図などはなく、参考資料を見て、手を動かしながらどのように形作っていくのかを考えているそうです。
 
 「できるだけ自分のイメージで作りたい」「勢いで作ったほうが『動き』がでる」「失敗したらやり直したらいい。」(清水さん談)

 実際、清水さんはすごい勢いで材料どうしを合わせて立体を作っては、貼り付け合わせ、どんどんと細工づくりを進められていました。

 また、材料を使う上で、清水さんが強調されていたのは「できるだけそのままを使う」ということです。「細工を見た人々が、いったいそれが何でできているのかすぐわかった方が良いから」だそうです。極力ハサミなどは使わないそうです。

 
 清水さんは、この細工づくりがしたくて保存会に入られたそうです。そして、この日は子ども神輿用の細工づくりの様子を見学させていただきましたが、清水さんはそこにもこだわりをお持ちでした。

 「こどもが喜ぶ細工を作りたい」「こどもに注目してもらってこそ、今後お祭りが盛り上がり続けることに繫がるのではないのか」(清水さん談)

 
 作業の様子を見学させていただいた後は、2階の応接間に下り、今年作られた瑞饋神輿用の細工の材料について教えていただきました。

 
 実際の貴重な作業の様子から、ものづくりをする上での大切なお話までたくさんのことを吸収できたお宅訪問となりました。

 

 次に、竹尾さんのご自宅を訪問し、今年の細工づくりの最新の様子を見学しました。竹尾さんも今年用のものは完成に近い段階まで作業を進めていました。今年といえば、今年の関西といえば、というテーマで、こちらも当日までのお楽しみですね。

 今年使われた材料も拝見しました。「エシャロット」や「栗インゲン」、「ビルマ豆」などです。エシャロットは中央アジア原産の玉ねぎの一種で、これは清水さんも愛用されているものです。

 

【写真⑥】「エシャロット」

 

【写真⑦】「栗インゲン」と「ビルマ豆」

 

 いよいよずいき祭りの準備も佳境に入り、神輿を仕上げる段階が近づいてきました。今日はここまで、それでは。