9月30日(土)・10月1日(日)ずいき神輿が完成しました!
こんばんは。今回は9月30日と10月1日の作業の様子を望月がお伝えします。
9月30日は主に、保存会の佐伯さん・入江さんの畑で刈り取られたずいきを使い、お神輿の屋根を葺く作業が行われました。
集会所には完成した飾りが用意されていました。
こちらは隅瓔珞。鮮やかな色合いは赤茄子や五色唐辛子でできています。梅や松の麦藁細工も一緒に吊るされています。
梅鉢にはかぼすの皮がつけられていました。
作業のため細工や材料、飾りを運び、集会所から徒歩10分ほどの西之京の御旅所へ移動し、拝殿に置かれたお神輿を初めて目にしました。
9月30日までは、このように骨組みだけの状態です。ここから屋根を葺いていきます。
こちらが刈り取ったずいき。向かって左側が赤ずいき、右側が白ずいき(青ずいき)と呼ばれています。
断面は三日月型をしています。
この中から比較的太いものを選び、優先的に使います。
先に葺く下段は白ずいきを使います。青々として綺麗です。
まずは、刈ってから時間経過で劣化し、黒ずんできた断面を包丁で切り落とします。
こちらは切り落とした断面です。指で押してみると低反発枕のような感触で、みずみずしく弾力があります。
ずいきを切って長さを調整しながら並べていきます。
ずいきを当てて長さを測り…
余分な部分を切り落とし、太い方を使います。
弧が下側になるように並べ、竹串で固定します。ずいき神輿の特徴的な屋根が現れてきます。
四方に葺くとこのようになります。
次に上段を葺きます。上段に使うのは赤ずいきです。
はじめに支柱にずいきを貫通させて固定します。
赤ずいきは弧を上にして葺いていきます。
白ずいきとのコントラストが特徴的です。
9月30日は諸事情により、我々はここで作業の見学を切り上げることとなりましたが、その後も作業は続きました。
以下は10月1日の内容です。
集会所からは完成した子ども神輿が運ばれていきました。この子ども神輿の屋根にもずいきが使われています。
諸々の道具の積み込みをし、御旅所へ。
なんと、ずいき神輿はほとんど完成していました。
こちらは北面。
真紅や梅鉢、細工が取り付けられ、昨日からかなり華やかになりました。真紅に取り付けられている濃紫の球体は賀茂茄子型の鈴です。
子ども神輿も運び込まれます。
ここからずいき神輿の仕上げに取り掛かります。全ては紹介しきれませんが、幾つかピックアップしてご紹介したいと思います。
こちらはお神輿の四隅につける親芋(頭芋=かしらいも)です。
彫刻師が予め獅子の顔に彫り、目と舌となる栗と唐辛子をはめ込みます。
頭芋はひっくり返して、根をたてがみに見立てて彫られています。そのまま向かって左側「阿」、右側が「吽」の獅子です。
並べていただきました。獅子なのですが、とても可愛らしいです。
こちらは隅瓔珞の取り付けの様子です。
こちらは平瓔珞。右側は松に鶴の意匠、左側は梅に鶯の意匠です。鶴・鶯は茗荷を使って表現されています。こちらも取り付けます。
ずいき神輿はこれにてようやく完成です。夜なべを含む1ヶ月の間の、会員さん方の苦労と手間の結晶です。
完成した姿を生で見ると、色や飾りの種類が多く、とても華やかなお神輿に感じられます。これが一年ごとに何百回と繰り返され、人々の手によって継承されてきたことが信じられないような思いになります。
ずいき神輿と子ども神輿が御旅所で公開された後は、近隣の方や氏子の方々が続々と訪れ、見学されていました。中には手を合わせお賽銭されていく方もいらっしゃいました。
神輿作りはこれにて終了ですが、巡行は10月4日です。次回の記事はその報告となります。