9月1日(金)千日紅摘み

 皆様初めまして、立命館大学文学部地理学専攻の中塚と申します。

 2023年度の西之京瑞饋神輿保存会インターンシップの活動が始まりましたので、本日より今年の活動を当ブログで随時発信していきます。

 本日の内容は、三枝暁子先生によるレクチャーと千日紅摘みです。

 9月1日の午前中に、三枝暁子先生による特別レクチャーを立命館大学京都学クロスメジャー共同研究室で受講しました。三枝先生は長年西之京瑞饋神輿保存会の活動に携わってこられました。瑞饋祭の歴史、瑞饋神輿の構造、そして当インターンシップでの学びについて教えて頂きました。また、神輿の装飾の多くが農作物などから作られていることに大変驚きました。「五穀豊穣への感謝」という人々の気持ちが細かなところへ現れていることが印象深く感じました。

 昼食をとったのち、午後からは受講生、教員、三枝先生の5名で集会所へ移動し、保存会の皆さまと合流しました。二班に分かれて千日紅の収穫へそれぞれ畑へ向かいました。我々は桂と太秦にある畑を訪れました。

 

【写真①】桂の畑


 千日紅は、神輿の「真紅(しんく)」という部位に使われます。10月1日から行われる瑞饋祭のちょうど一か月前に収穫に行くということから、祭りの「始まり」を意識させるものだと感じました。畑では、「親指の太さより長い花を摘んで欲しい」ということや、「たくさん生えている中で、奥や下の方にも大きめの花がある」といったレクチャーを受け、花を摘みました。

 会員の方に「なぜ千日紅なのか?」という質問を投げかけた際には、「色がなかなか落ちない」、「日持ちがするから」といったご回答を頂きました。「毎年種を蒔き続けている」というお話が印象深かったです。西之京の人々が先祖代々祭りを続けられていることと同じように、花もその生命を絶えず受け継いでいました。また、桂の畑も会員のお一人が代々受け継いでこられた畑だそうです。

 

【写真②】ブッシュのように成長する千日紅

【写真③】「親指の太さより長い花を摘んで欲しい」

 

【写真④】千日紅をアップで

 

【写真⑤】収穫した千日紅

 

 今年の千日紅の収穫の成果については、会員の皆様によると「今年は育ちが良すぎる」「量はかなり多い」「花も大きい」とのことです。例年9月1日は、条件を満たすものはあらかた収穫し、足りなくなったらまた収穫にいくそうですが、今年はこの日収穫した分で賄うことができるかもしれないです。

 

【写真⑥】昨年の「真紅」

 

 集会所では丹精込めてつくられた昨年の「真紅」を拝見しました。1年前に収穫された千日紅にもかかわらず、まだ色がハッキリと鮮やかな状態で驚きました。今年の千日紅が真紅となり、そして神輿の目立つところにどのように設置されるのか、今後が楽しみです。

 9月2日から早速集会所での祭りの準備、「夜なべ」と呼ばれる作業が始まります。本日より約1か月ほど、当ブログにて進捗状況を随時発信していきますので引き続きよろしくお願いします。