10月4日(土) ずいきみこし巡行その2

12時30分。いよいよ巡行が始まりました。

ここからの様子は、小川がお伝えします。

ずいきみこしが御旅所を出発した後、こどもみこしも出発します。

ずいきみこしとこどもみこしの巡行ルートは異なっており、私たちはずいきみこしの巡行の後につかせていただきました。



西大路通や、丸太町通などの大通りはよく通る道ですが、巡行は普段歩くことのできない車道を通るため、まったく違う景色に見えます。
たまたま通りかかった観光客の方や、隣を通り過ぎていくバスの乗客が皆、おみこしに注目してくれていました。中には写真を撮っている人々も。
少しの期間ではありましたが、おみこし作りに関わらせていただいた身として、誇らしい気分です。

巡行の合間に、時折おみこしの「鳴りかん」が鳴らされます。「鳴らせ」の掛け声で、「鳴りかん」を揺らすと、華やかな音が響きます。
また、巡行中におみこしから落ちた瓔珞の飾りを拾って持っておくと、ご利益が得られるそうです。
おみこしのすぐあとをついてまわれる私たちが、一番チャンスを得やすく、実際に拾うこともできました!



9月の間通わせて頂いた保存会の集会所の前も、巡行ルートです。
地元に住んでいらっしゃる方々や、保存会の皆さんのご家族が、通りに立っておられて、声をかけて頂くという光景もありました。
おみこしに向かい手を合わせている方々もいらっしゃいます。
私の地元で行われている「お祭り」と呼ばれるものは、もっと騒がしいものでした。そのためこのような光景を見るのは初めてで、少し驚きました。
ずいきみこしは地域の人々に愛され、深く信仰されているのだなと改めて思います。


いくどか休憩を取りながら、約4時間ほどの巡行が進んでいきます。
普通の靴でついて歩く私たちの足も棒のようになりましたが、地下足袋で歩く担ぎ手の皆さんは更に大変です。
最後に上七軒へ向かい、北野天満宮に到着するころにはくたくたになっていました。

上七軒の舞妓さん、芸妓さんたちも、ずいきみこしを見るためお茶屋さんの前に出てきていらっしゃいました。
大勢の人であふれかえる中、北野天満宮の東門前でお祓いが執り行われました。


お祓いを終えた後は、御旅所に戻ります。
雨に降られることもなく、無事巡行は終了しました。


9月1日から取材をさせて頂き、早1ヶ月。
千日紅を摘むところから製作過程、完成までをずっと傍で見せて頂いていたおみこしを、後ろからじっくりと眺めることが出来ました。
こうして実際に巡行が行われているところを見ると、とても感慨深い思いがします。
色々な人とお話させて頂き、学ぶことができ、充実感に満ち溢れた1ヶ月でした!