番外編 桂馬・腰板細工作り

今日はいつもの作業とは違った番外編をお送りします。

この前の記事を書いた須田さんが予告したように、9月11日の夜なべ作業が終わった後に、僕たちは会員の上田さんのご自宅にお伺いして
桂馬(けいま)」に使われる人形細工作りと「腰板(こしいた)」の細工作りを見学させていただきました。
桂馬とは、ずいき神輿の鳥居の間にかけられるハート形の飾りです。これには動物や人など様々な人形細工がほどこされます。この人形細工は作る会員さんが決まっており、毎年4人の会員さんの手によって作られています。


これが今年上田さんが作られている桂馬です。一目瞭然だと思いますが、太陽の塔をイメージされています。驚くべきことにこれは今年収穫された農作物を主に、工夫をこらしながら作られているということです。実際に中心は麩、顔には夏みかんの皮が使われています。テーマを決められたのは4月ごろで、7月ごろから実際に作り始めたそうです。どこに何を使うというのは、大まかにきめてから作り始めているそうですが製作途中も、いろいろな素材を試してみて試行錯誤を繰り返すそうです。そのため上田さんのお宅には下の写真のように様々な材料がありました。

次に腰板の紹介です。
腰板とは、御神輿の一番下の部分に飾られるもので、他の飾りものに隠れ気味になりがちですが
、桂馬と同じく四面あり、春夏秋冬テーマになるそうです。上田さんの今年の担当は「夏」ということで、今年作られたのは五山の送り火。まさに京都の夏の風物詩です!!腰板も桂馬と同じく材料は今年収穫された農作物が主に使われています。

今回取材して桂馬、腰板の細工作りは日々の生活の中にあるということを強く感じました。上田さんは今回のお話の中で日々の買い物や旅行の際に材料に使えそうなものを探しているとおっしゃっていました。まだどんな細工を作るか決めていないときでも、ただ単に買い物や旅行に行くのではなく、いつもどこかで人形細工のことを考えながら出かけるということが、とても楽しそうにみえました。

このように、普段の夜なべ作業以外でもたくさんの作業が並行して行われています。すべての作業を取材するのはなかなか難しいですが、より多くの作業を取材し、より多くのことを学びたいと改めて感じました。


以上今日の記事は島田お送りしました。