9月11日 夜なべ作業6日目

本日の様子は須田がお送りいたします。

普段は世間話や笑い声で賑やかな集会所ですが、今日はいつになく静かです。
なぜなら今日の作業は前回までに取り出した稲穂を30本ずつまとめる作業、いつになく集中力が求められます。
稲穂の根元を持ちながらまとめ、凧糸でキツくぐるぐるしばります。
まだ稲は刈りたてなので、いわば生の状態です。
乾燥するとさらに細くなり、糸が緩いと稲穂が抜け落ちてしまうそうです。

まとめた稲穂は梅鉢飾りの一部になります。
梅鉢もどんどん完成に近づいていますね!



静かに作業をしていると周りの音が気になるものです。
玄関の方から「ギー、ギー」と音がするので見に行ってみると、去年の真紅から千日紅を取る作業をされている音でした。

「千日紅は糸に通ってるからすぐ外れるんやけど、のりが付いてるのをこそげ落とすんや。」
太めのカッターでのりをこそげ落とすことで、去年の真紅を綺麗な棒の状態へ戻します。
落としすぎても千日紅の付きが悪くなるそうです。
実は他の3本は夜なべ作業初日に外されていたので、これは残りの一本です。
初日の私たちは千日紅糸通しに必死すぎて、記録しそびれていたのでした。



前回切り出されて、片方の柱に巻き付けられた麦藁細工も無事貼り着いていました。
本日はもう片方の柱に巻く作業です。
麦藁細工は昨日のうちから湿らせた布を被せておくことで、やわらかくしておきます。

のりを塗った麦藁細工を2人がかりで巻き付けていきます。

無事巻き終わると布を巻き付けて固定します。

次は鳥居にこの梅鉢紋の麦藁細工を貼付けるそうです。かわいい!


ところでこの金箔にしか見えない麦藁細工、元はどのようなものなのでしょう?
それがこちらの長藁ストローです。すでに光沢があります。

この麦藁を炊いて、やわらかくしてから裂き、へらで擦って延ばして灰汁を出すことで麦藁を薄く、平たくするそうです。

平たくなった麦藁は太さが違うので幅が合うように切られます。
切られた麦藁を白い和紙に貼って完成です。こちらは小さな切れ端です。

合わせる時も直角ではなく斜めに切ることでつなぎ目をわかりにくくするなどの工夫がなされます。
あまりに細かく、作業量の多さに気が遠くなりました。
この作業は2月ごろの夜なべ作業で行われるそうです。



本日はこれで夜なべ作業が終わりましたが、私たちはその後上田さんのお宅にお邪魔させていただき、人形細工作りを見学させていただきました。
たいへん貴重で、学ぶことも驚きも多い体験でした。
そちらは後日島田くんがブログをアップする予定です。


次から次へと、新しい作業があり、それが同時進行で行われています。
作業も見学も私の経験の中では真新しく、とても珍しいことのように感じています。
しかし、この作業が毎年ずっと行われ続けたことで今のずいき祭が守られていることを思うと、本当にすばらしいことだなあと感動します。
明日も脈々と続いてきた作業に参加させていただいていることに感謝しながら作業をがんばろうと思います。


以上、本日は須田が担当しました!