9月10日 夜なべ作業6日目

今日は予報にはなかったはずの雨に打たれながら、集会所へ向かいました。
早いもので、夜なべ作業も折り返し地点です。
今日の作業も、以前からこのブログでご紹介している、千日紅の糸通しと梅鉢作り、稲の加工作業が並行して行われました。

日が経つにつれ、千日紅は乾燥し糸が通しにくくなります。茎に通したつもりでいても、ボロボロと落ちる確率が日に日に高くなっている気がします…。

今日の夜なべ作業終了後、ずいき神輿保存会の会員である上田さんのお宅に伺い、桂馬・腰板作りの取材をさせていただきました!

桂馬とは、御神輿の四面それぞれの鳥居の間に飾られるハート形をしたもので、御神輿の中でも注目度がかなり高いものです!


こちらがまだ製作途中ですが、今年の桂馬です。テーマはお祭りのときのお楽しみです。秋を感じさせるとてもすてきな桂馬です!!そして、驚くべきはこれらがすべて、野菜や海産物のみで作られており、絵の具を一切使用していないということです。九条ネギの種、片栗粉、ずいきの皮でできています。
すべての作業において、とても細かく、時間のかかる作業ですが、中でも、満月を表現するために使用されている、側面の麦をのばすのに約半年もの時間がかかったそうです。

次に腰板についてご紹介したいと思います。
腰板とは、御神輿の下の部分に飾られるもので、柱などによってほとんど見えないとのことでしたが、桂馬と同じく四面あり、春夏秋冬がテーマになります。
今年の上田さんの担当は春です。


ご覧のとおり満開の桜が表現されています。こちらも、絵の具などは一切使用されず、野菜や海産物のみで作られています。桜は、お吸い物などで使われるピンク色のお麩をすりこぎで荒いものと細かいものに砕いたもの、土は、3、4年乾燥させたずいきの皮で作られています。また、この立体感を表現するために、土台には乾燥昆布が使用されています。
このように見えないところにまで、野菜や海産物を使用するという徹底ぶりには驚くばかりでした。

桂馬や腰板などのテーマや材料となるものは簡単には集まりません。日々の生活の中からヒントを得られています。ずいき祭の夜なべ作業は1か月程ですが、桂馬・腰板などを作るのは夜なべ作業外で何か月もかかって作られています。このように考えると、会員さんは1年を通してずいき祭のことを考えて生活されています。それを知った上で御神輿を見ると感慨深いものになりますね。

最後に御神輿を支えるための瓔珞、枡形の修復の様子も見学させていただきました。

瓔珞は毎年の修復が欠かせません。
これらは木材に、和紙の上に貼った灯心というものをつけて作っていきます。(赤青白の模様のように見えるものです。)

今年は修復だけですが、3年に1度は貼り替えをされるそうです。
この灯心を貼る作業がとても大変で集中力のいる作業となります。子神輿の場合、灯心は白1赤1…という風に和紙に貼っていくのですが、大神輿の場合は白2赤2…と、2本ずつになります。

このように、白い灯心はまっすぐで和紙に貼り付けやすいのですが、赤や青は染色をするとくるくるとなってしまうので、とても作業がしにくいそうです。また、思っているよりもちぎれやすいので、力加減が難しいそうです。
急がず、焦らず、落ち着いて、素直な心で貼っていくのがきれいに貼り付けるポイントだそうです!

このように、私たちが参加させていただいている夜なべ作業外で、たくさんの作業が並行して行われています。
上田さんが見えないところにまで細やかなこだわりを持って作られている桂馬・腰板、根気のいる作業を繰り返し行われて作られている瓔珞・枡形、これらを当日「あ!これはこの野菜、海産物が使用されているのか!!!」と考えながら見てください!
遅い時間まで、取材させていただきありがとうございました。
以上、小池がお送りしました。明日の夜なべ作業はお休みです。