9月9日 夜なべ作業5日目

昨日は仲秋の名月、京都もだいぶ涼しくなり、夜なべ作業も中盤に差し掛かりました。
今日は真紅の「天満宮」の文字を白い千日紅で埋める作業を見学させていただきました。

これまでのブログの中で紹介したように、糸を通した赤い千日紅を柱に巻きつけ、「天満宮」の文字があるところは開けておきます。今日はそこを白い千日紅で埋める作業が行われました。

柱に書かれた「天満宮」の文字の上に、千日紅一つ一つにのりをつけ、丁寧に埋めていきます。手先の器用さと丁寧さが問われる作業ですね。
そしてこの「天満宮」の文字に使う白い千日紅、使う千日紅の数はずっと昔から変わらないんだそうです!というのも、今年であれば、去年の真紅を見ながら、去年のものは一昨年のものを、一昨年のものは一昨々年という風に、前の年のものをお手本に作られてきたからなんです!このように、説明書があるわけでもなく、見て習うというのは職人のようで素敵だなと感じました。


↑「天」の文字が出来上がりました!


作業中の北野さんにこの作業の難しい点、気を付けている点を聞いてみました。
すると「作るからにはきれいに仕上げたい。」という答えが返ってきました。千日紅の糸通しの際、針をきちんと花の先端から1センチのところに刺さないと、柱に巻いたときにでこぼこになってしまいます。


↑きれいに揃っているところ


↑でこぼこになってしまっているところ

上の写真を見比べると、違いがよく分かると思います。


でこぼこしている部分が自分が糸通しをした千日紅だったらどうしようと不安になると同時に、千日紅に糸を通すという作業がこれほど真紅の出来栄えに影響するのかと、これまで以上に丁寧にやらなくては!と感じました。また毎年新しく作る御神輿にこれほど真剣に取り組んでらっしゃる会員さんの熱意を感じました。


ちなみに…ブログ初日から話題に上がっている千日紅ですが、日本に伝わったのもはるか昔のことで、色持ちがよく、また乾燥するのが早いために、柱に巻きつける素材として使われ始めたのでは、とのことでした。



最後にもう一つ、今日初めて見た作業、のり作りを少し紹介します。
千日紅を巻きつけるときに使用するのものとは違い、お米が原料です。こののりは水のりと混ぜて使われ、4年前に導入したものだそうです。
お米を木べらのような道具でひたすら練り、のり状にしていきます。作り方は非常にシンプルですが、これもなかなか根気のいる作業ですね。今日の作業を見させていただいただけですが、苦労が想像つきます。




おまけ
夜なべ作業の合間に休憩がてらお茶がふるまわれます。作業をした後の一杯はよりおいしく感じますね!

お茶の準備をする佐伯さんと学生



今日もまた「ずいき神輿」について知識がついたかな、と思います。また毎日新しい発見があり楽しいです。明日は桂馬、腰板作りなどを見学させていただく予定です。どんなものが出来上がっているのか楽しみですね!
以上、樋口がお送りしました。