9月14日 夜なべ最終日&上田さんへの取材

こんにちは。今日は夜なべ最終日です。

今まで続けてきた作業も続々と完成しました。
連日お伝えしていた真紅も4本すべてが完成です↓

そして、子ども神輿にも真紅を使うので、
その様子も見学させていただきました。

ずいき神輿の真紅と比べると、小さくてかわいらしいです。
そして、夜なべ作業は終了しました。

夜なべ終了後、ずいき神輿保存会の会員である上田さんのお宅に伺い、
お神輿を飾る欄間、腰板、桂馬の取材をさせていただきました。

まずは、欄間から。今年の作品は金太郎です!
何をテーマにするのか、どのような構図にするのかは、
欄間を担当する会員の方それぞれ異なりますが、
上田さんは、絵本を参考にして作っているそうです。
絵本の一部を紙に描き、どの部分に何を使うのかも書き込んでいきます。
そして、その図案を見ながら作っていきます。

先日もお伝えしましたが、
欄間や腰板は、野菜や海草といった自然のもので作られています。
金太郎の顔や体には、かんぴょうが使われ、髪の毛にはとうもろこしの毛が、
金太郎のお腹の部分の金の文字も、麦藁が使われています。
そして、見えない所までこだわるのが上田さん流です。
金太郎の頭の部分も、絵本と同じ髪型をしているのです↓


そして、山ですが、オレンジ色の部分には柿の皮が使われています。
また、柿の皮の下に利尻昆布を使い、山を立体的に見せているのです↓


そして、金太郎と言えば…やはり熊ですよね。

この熊ですが、何ともかわいらしい表情をしていますね。
熊の毛も金太郎の髪の毛同様とうもろこしの毛が使われています。
ここでは、とうもろこしの毛を黒く染めています。
表情や爪まで細かく作られています。
細かい作業が苦手な私としては、尊敬するばかりです。
手の込んでいるのが伝わってきますね。

続いては、腰板についてお伝えしたいと思います。
腰板は全部で4面あり、それぞれの春夏秋冬がテーマになります。
上田さんは、冬の担当です。

ご覧の通り、雪山が表現されています。
もちろん、こちらもすべて野菜や海草でつくられています。
山にある木は、なんと葡萄の芯が使われているのです。
葡萄の芯に片栗粉をつけ、雪を表しています。
また、山の部分には利尻昆布を使い、その上におぼろ昆布を使うことによって
雪山が綺麗に表現されているのです。
この雪山は、お正月の新聞を参考に構想されたそうです。


それでは最後に桂馬についてお伝えしたいと思います。
今年の上田さんの作品は、弁慶です。

やはり弁慶も作品を作る前に紙に図案を書きます。
顔はずいきをほしたものを、目にはスイカの種を、
口には柿の種を使っています。
槍や頭巾には麦藁を、衣にはかんぴょうを、
そして、黒い部分には九条ネギの種が使われています。
この九条ネギの種ですが、近くで見るとツブツブしているので、
最初は黒ゴマかと思いました。
しかし、九条ネギは黒ゴマよりも色がよく、長持ちすることから使われています。
実際に見てみると、艶があってとっても綺麗です。

今日取材させて頂いた欄間、腰板、桂馬がお神輿に飾られる日が
とても楽しみです。
今日は鈴木がお送りしました。