番外編 欄間、腰板作り

こんにちは。
今回は、ずいきみこしを飾る欄間、腰板を作られている竹尾さんのお宅にうかがいました。
取材させていただいた様子を、小川が報告いたします。
竹尾さんは、普段は看板を作られるお仕事をされており、その仕事場の一角で人形細工の作業をされています。
お仕事の終わった後、夜に作業されることが多いそうです。

さて、竹尾さんの今年の欄間はこちら!


体操・日本!
中央には金メダルを二つ首から提げ、腕を高く上げる選手の姿。
その周囲に、体操の6種目があしらわれ、「Rio2016」のロゴマークが描かれています。

この体操選手に注目していただきますと…。


なんと、体に豆が一つ一つ貼り付けられています。
体は白大豆、髪は黒大豆が使用され、目と口もそれぞれ豆で出来ており、こだわりが感じられます。
竹尾さんは以前農業関係の仕事をされており、その際豆類に関係する部署に携わられていたそうです。そのため、豆にお詳しいのだとか。


使用する材料は、お店で購入する他に、前職の同僚であった方や、学生時代の同級生の方から頂くことも。
時には、豆類の栽培をご自身でされることもあります。手持ちの数が少なくなってきてしまったものを増やすためでもありますが、時々売り場には出ないような規格外の形のものが出来ることがあり、それを使うことも楽しみの一つだそうです。



選手が首から下げている金メダルには、麦藁が使われています。
紐の部分は、四万十海苔を下地にして、白い部分が唐辛子の種、朱色がほおずき、青い部分がラベンダーの花で出来ています。
自然の植物では、青色というものはあまり存在しません。そのため、苦労した箇所の一つだとおっしゃっていました。


周りの体操の6種目は、出来るだけ上半身の部分に使用する豆の数を同じにし、足の部分の唐辛子の形が競技を行う際の足の角度に近くなるように配置されています。
標識などに使われるピクトグラムのようで、どの種目なのかが一目でわかるようになっています。
このデザインも、看板を作られている竹尾さんならではの発想だと思います。
毎年、テーマに関係するロゴデザインを入れることも、竹尾さんのこだわりだそうです。



こちらは腰板になります。
四季がテーマになっており、竹尾さんの担当は春です。
子育てをするつばめが描かれています。
親つばめの白と黒の色合いが綺麗に描かれています。黒い部分はひじきを使うことで、つばめの羽毛が特徴的に表されています。
白い部分はもち米です。


子つばめは、すすきを紐で束ねて作られています。
こちらも羽毛の質感が上手く表されています。
嘴はピーナッツの殻、巣はずいきの皮です。
このように、一目で何が使われているのかわかるよう、素材そのままの形や質感を生かすこと。
そこにアイデアが加わって、素晴らしい人形細工が作られていくのです。

竹尾さんのアイデアとこだわりが詰められた、この欄間と腰板にも、是非注目してみて頂ければと思います。
以上、小川でした。