9月19日 欄間・桂馬取材

夜なべ作業も一段落し、保存会の皆さんにお会いできず、少しさみしく感じている須田です。
19日、私たちは欄間・桂馬制作をしていらっしゃる清水さん宅へおじゃましました!


まずは素材を見せていただきました。
小さな箱にいろんな豆や種、木の実などが整頓されています!

カッパ(ずいきを乾燥させたもの)やパンパスグラス(西洋ススキ)のようなかさばるものは袋に詰められています。

植物の種や乾物が一目でわかるように整理されているのはまるで漢方の薬局のようで、見ているだけでわくわくしますね!


清水さんのこだわりポイントは「一目で子供にわかるもの」。
子供受けが良いと祭も受け継がれていくという考えのもと、テーマを決めているそうです。
また、清水さんはテーマを忠実に再現することも意識されています。
持ち前の手先の器用さとデザインセンスが相まって、清水さんの欄間・桂馬はリアルで精密、そして何より迫力があります!


まずはこちらの欄間、テーマは今公開中の「ジュラシックワールド」です!

リアル!!!!!!!!なんて迫力!!!!!!!!!
ちょうど取材の前日に映画を見たところなので、思い出して怖くなってしまいました。
カッパでできた恐竜の肌が本物の爬虫類の肌を連想させます。
Q.こんなに本物のような欄間だったらさぞかし時間がかかったでしょう?
A.「はさみとか使わずに、物が持ってる形をそのまま使ってるからわりとすぐできた。」
遠目に見ると本物のようにしか見えないのに、近くでよく見ると自然のものだけでできているのがよくわかります。

「何を使ってるか一目でわかるやろ?」
詳しく素材を伺うと、なるほどなあと思わされます。
とはいえすべてわかるわけではなく、翼竜の頭部分と羽の上部の素材、首と腿の素材はこの欄間を作るために存在してるかのようなしっくり具合です。
頭部分はサラというタイのトロピカルフルーツの皮で、スーパーで見つけて皮がほしい!とすぐに購入されたそうです。
首部分は三枝先生が出された『京都天神をまつる人びと ずいきみこしと西之京』の写真を手がけられた写真家の西村さんが長野県で拾われたものだそうです。
まつぼっくりのような鱗がついていて…なんなんでしょうこれは?
ご存知の方はご一報お願いいたします。
恐竜の口の中は見ようとしないと見えないような所なのですが、それでもきっちり作っておられるところにこだわりを感じます。


次は桂馬の「ひつじのショーン」!

かわいいいいいいいいい!!!そして忠実そのものです。
「忠実にせんと子供たちにこんなんちゃう!って怒られるしな(笑)」
白の千日紅が羊のフワフワ感を見事に演出しています。
ずいき祭なので、ずいきや千日紅は積極的に使うようにされているそうです。
それでも無理に使っているのではまったくなく、その素材の特徴を最大限に活かして恐竜の肌や羊毛に使われているのが本当に素敵です。
ショーンの顔は、岩のりを敷いたあとにネギの種をのせることでマット感を出している所がポイントだそうです。
千日紅の下は、縄で芯を作り、そこに寒天の原料である天草を貼付けているそうです。
天草はくっつきやすく、軽く、ギュッと押せば簡単に成形ができる良いクッション材だそうです。
この土台は恐竜にも使われていて、触らせていただくとたしかにフカフカしています。


最後に、こども神輿「ミニオンズ」と「アンパンマン」です!

こちらもめちゃくちゃかわいいのですが、おどろくべきはこの細かさと色彩の豊かさです。
近くで見れば見るほどそのディティールの完成度にため息がでます。
例えば上部分のケビン・スチュアート・ボブには、いろんな形の乾燥トウモロコシがそのまま使われることで個性が出ています。
スチュアートのギターとボブのテディベアの細かさにはめまいがします…。
そして真ん中、下部分のミニオンたちの肌はグレープフルーツの皮でできているそうです。
鮮やかな黄色が本当にきれい!

「一昨日まだ最後のテーマが決まってへんっていってたやろ、そんで今朝から作り始めてん。」
なのにあとはメロンパンナちゃんを残すのみ…。なんというスピードでしょう。
アンパンマンはキャラクターの個性も色彩も豊かなので、さまざまな素材が使われていて、何でできているかを想像するのが楽しい!
カレーパンマンのマントにイチョウの葉っぱが使われているのに気づいた時はハッとしました。
私たちは一言目におもわず「おいしそう」と言ってしまったしょくぱんまんがお気に入りです。



あまりのすごさにテンションがあがりっぱなしだったため、ブログもつい長くなってしまいました。
しかし、驚きの素材やその活用法はお伝えできないほどまだまだあります!
そちらは改めて、ずいき祭で配布予定の人形細工詳細図に掲載する予定です!
お楽しみに!!
今回は須田がお送りしました。