9月30日 午後

こんにちは。午後の様子は鈴木がお送りします。

昼食後、御旅所に向かうとお神輿の組み立てが始まっていました。

まずは、午前中に切ったずいきをお神輿の屋根に葺いていきます。
屋根の長さに合わせてずいきを切り、
屋根に付いている金具で固定します。
さらに、横に竹串を通し、固定していきます。

右の部分が竹串で固定されている状態です。
また、ずいきですが、時間が経つと断面部が酸化して茶色くなってしまいます。
なので、少しずつ変色した部分を切り取っていきます。
巡行の日にちょうどの長さになるように、
今は屋根に対して長めに切ってあります。


上の写真は屋根に使われたずいきの切れ端です。
この写真の左の部分ですが、捨てられるわけではありません。
このような短いずいきは、子ども神輿に使われます。
無駄な部分なんてないんですね。



見る見るうちにお神輿は組み立てられていきます。
私たちが取材させていただいた欄間、腰板も飾られていきます。

近くで見た時とは、また違う印象を受けます。
欄間の色合いがお神輿ととても合っており、
鳥居や桝形がついたことより、お神輿も華やかになりました!

そして、私たちが糸通しをお手伝いさせていただいた真紅もつけられました。
9月1日に摘んだ千日紅が、一か月経ってお神輿に飾られているのを見て、
嬉しい気持ちになり、美しさに魅入ってしまいました。
また、こんなに近くでお神輿が作られる様子を見ることや、
少しでも携わることができて、
本当に貴重な体験をさせていただいていることを改めて感じました。

残念ながら、今日はすみ瓔珞を取り付けるところは見ることができなかったので、
後日完成した姿を見たいと思います。とても楽しみです!

お神輿の組み立てを見学した後、
私たちは獅子頭を作る様子を見学させていただきました。

午前中に切った赤いずいき(唐の芋)の頭芋(かしらいも)を、
彫刻師の方に頼んで、獅子頭を作ってもらっているそうです。

獅子頭を作っているのは、彫刻師の宮部さんです。
宮部さんは、社寺の彫刻や重要文化財の修理を行っています。
宮部さんが獅子頭を作り始めたのは、15年ほど前からだそうで、
ナマモノを彫るのは、獅子頭を作る時だけだそうです。

獅子頭は、口を「阿」の形にあけたのが4体、
「吽」の形にとじたのが4体の計8体あります。
それを、15種類ほどの鑿(のみ)を使って作っていきます。

獅子頭の作り方ですが、
まず、皮をむきます。
次に、正面にする方を決めて下のところを切ってまっすぐにします。
左が下を切った断面で、真ん中が足を彫ったものです。

そして、筆ペンでセンターを決めて、左右対称になるように作っていきます。
上の写真の右のものが、彫られたものです。
さらに、目の部分には栗を、「阿」形の口にはトウガラシをいれます。

作るときに、宮部さんは設計図は用いないそうです。
年によって、また頭芋の大きさは個々に違うので、
一つ一つ頭芋の大きさを見て、バランスが良くなるように作られています。

頭の中ではイメージができても、
それをそのまま表現することができない私には到底できないことでしょう…。

この獅子頭ですが、実際に御旅所で見ることができるので、
ずいき神輿と合わせてご覧ください!
写真で見る以上に綺麗ですよ☆