桂馬・欄間づくり取材〜その1〜

こんにちは!
今日は瑞饋(ずいき)神輿保存会の会員さんである、清水さんのお宅にお邪魔して
今年のお神輿に飾られる「桂馬・欄間」についての取材をさせていただきました。
その内容を簡単にですが、みなさんにご紹介したいと思います!

清水さんが作られた今年の子ども神輿の作品がこちらです!
※写真をクリックされると、より大きな画像でご覧いただけます。(別ウインドウで開きます)

この作品のテーマは「三匹の子ぶた」です!
上から順に子豚、オオカミ、そして子豚たちの家が
細部まで手の込んだ作りで表現されています。


上段(欄間)の子豚の体の土台にはワラを用いて、
その上に赤い和紙とトウモロコシの皮を重ねることで、
子豚のピンク色の肌を表現しています。

また、顔に用いられているそれぞれのパーツにも注目です!

目:黒目豆
耳:マカダミアナッツ
鼻:パスタ
手:松ぼっくり
足:ジャイアントコーン

私が特に驚いたのは子豚の目に使われている「黒目豆」です!
その名の通り、目玉のような模様をしています。
こんな種類の豆があるんですね…初めて見ました!


中段(桂馬)のオオカミに使われているパーツはこちらです

可愛らしい子豚たちとは一転して、
八角の実の鋭い目をしたオオカミの姿です!
赤トウモロコシの葉の葉脈がゴワゴワとしたオオカミの毛並みを表しているようで、
とてもリアルですね!


そして、下段(腰板)の子豚たちの家です!

左から順に、「三匹の子ぶた」で子豚たちがそれぞれ作った
レンガの家、木の家、ワラの家が並んでいます。

一番左側のレンガの家にご注目下さい!
このレンガの家は縦半分に切ったトウモロコシを横に並べて出来ているんです。
びっしりと並んだトウモロコシの粒を
積み上げられたレンガの壁に見立てるという発想が面白いですね!



清水さんはもう一つ子ども神輿用の飾りを作っていらっしゃいます。
その作品がこちらです!

今大人気の海賊マンガ「ワンピース」のキャラクター達です!
上から順に「チョッパー」「ラブーン」「ゴーイングメリー号」が
さまざまな材料を使って表現されています。


◆チョッパー◆

上段(欄間)でひときわ存在感を放っているトナカイのチョッパーは、
「ワンピース」の中でのマスコットキャラクター的な存在で、
海外の方にも人気のあるキャラクターです!

トレードマークである×印のついた帽子はホオズキで作られています。
帽子の両側から伸びる角は柿の種で、その下にある耳は椿の実で出来ています。


目に使われているのはこちらの「鞍掛大豆(くらかけだいず)」です。
表面がちょうど黒目と白目にみえる模様をしているんです!


こちらはチョッパーの手を拡大した写真です。
カボチャの種の上にエゴマを乗せ、
先端には砕いた松ぼっくりのかけらをつけてトナカイの蹄を表しています。
細かいところにまで趣向を凝らした作品になっていますね!


中段(桂馬)はクジラの「ラブーン」です!
◆ラブーン◆

このクジラの胴体はまるごと椎茸の形を活かして出来ています!
頭の左側にある、麦わら帽子をかぶったドクロのマークまで
丁寧に再現されていますね。


下段(腰板)は海賊船の「ゴーイングメリー号」です!
ゴーイングメリー号

帆の部分となる緑色の枝豆の皮のようなものは、
清水さんがバーベキューをしているときに偶然発見して、
「何かに使えそう」と思って拾っておいたものだそうです。
(そのため正確に何の植物かは不明です)
普段からお神輿を飾る欄間や桂馬の構想を考えて、
その材料に使えそうなものはないかと意識していらっしゃるんですね!


清水さんが子ども神輿の桂馬を作る上で一貫して心掛けていらっしゃるのは、
「子どもが見て分かるもの、興味を示すものを作ること」だそうです。
子ども神輿を見たお子さんが
「あ!あれ知ってる!でも一体何で出来ているんだろう?」と、
思わず近くに寄って見てみたくなる、ワクワクするような作品に仕上がっています。



じつは、清水さんの作品はさらにもう一つあります!
今年の瑞饋神輿の欄間も担当なさっているんです。
その作品がこちら!

テーマは今年の干支にちなんで「飛龍」
中国や日本的な「龍」ではなく、西洋的な「ドラゴン」のイメージで作られたそうです。


(頭部アップ)


(尻尾アップ)


(左翼アップ)


(足アップ)

画像を拡大してご覧いただくとよく分かりますが、
パーツのひとつひとつが、できるだけ素材のそのままの形を活かした状態で
作品のなかに取り入れられています。
清水さんの作品づくりへ対する深いこだわりが感じられますね!


さらに注目していただきたいポイントがあります!
ドラゴンの背景の山ですが、何で出来ていると思われますか?




(背景アップ)




・・・実はこれ、七味唐辛子やターメリックといった、
香辛料などをふりかけて描かれているんです!

あらかじめ山の形に糊を塗っておいて、
その上に香辛料をふりかけるという、砂絵の技法が使われています。
鮮やかなグラデーションになっていてとても綺麗ですね!


今にも空へと羽ばたき出しそうな躍動感のあるドラゴンの誕生です!
実際に見てみると、写真以上にもーっと迫力があります!

このほかにも、瑞饋神輿にはまだまだたくさんの見どころがあります!
後半からは佐々木さんが本日の取材の続きをお伝えしてくれるので、
そちらもぜひご覧下さい!


ここまでの記事は井上がお送り致しました。