桂馬・腰板の取材(上田さん)

日中の日差しはまだまだ厳しいですが、朝夕の涼しさに秋を感じるようになりました。
そろそろずいき祭の季節です。
9月の初めから約2週間行われた夜なべ作業の合間に、
桂馬・腰板を作っている会員さんのお宅へ見学に向かいました。
今回取材させていただいたのは、上田さんです。

<桂馬について>
桂馬とは、お神輿の四面を飾るハートの形をした飾りです。
今年、上田さんが選んだのは、お相撲さんの形をした博多人形
選んだきっかけは、昨年の11月に訪れた熊本の物産館で博多人形を見つけたため。

桂馬のお相撲さんには、力強さの表現と日本人横綱誕生を願う思いが込められています。

桂馬の作業
1.桂馬の構想を練る
2.桂馬の板を使って紙に型をとる
3.紙に図案を書く(配色、材料、製作方法などを細かく書き入れる)
4.実際に製作する(植物は直接板に貼り付けられないので、和紙に貼り付けて糊付けをする)
5.柱にかけて、確認

1.構想を練るのは祭りの直前に行うのではなく、日々ずいき神輿の桂馬・腰板のことを考えているそうです。
また、新聞や雑誌などの資料集めも並行して行われています。

2.〜5.までの作業は9月に入ってから約2週間ほどで行われます。
(桂馬)
本体:ずいきの皮を和紙に貼り、くしで固定しています。
眉・頭髪:トウモロコシの髭
:スイカの種
おちょぼ口:唐辛子
:ずいきの皮
化粧まわしの赤い部分:ほうずき
しめ縄:かんぴょう
しめ縄の下:みかんの皮
紙垂(かみしで):春雨
化粧まわしの房:トウモロコシの髭を結ったもの
桂馬の縁:自家栽培した約100個の千日紅

<腰板について>
腰板とは、お神輿の鳥居裏の下あたりの飾りです。
今年の腰板は早いうちに完成していたそうです!
(腰板)
腰板のイメージ
上田さんは秋を担当しています。
右の山は紅葉している比叡山
真ん中に霞みがかった五重塔
左の山は紅葉している西山
夜空に浮かぶ朧月

比叡山(右):乾燥させた栗の皮、ごま、唐辛子など
五重の塔:カラー麦藁といった染色された麦藁で城崎のお土産
西山(左):乾燥させた柿の皮、ごまなど。
      裾部分はトウモロコシの皮で草をあらわしている
朧月:麦藁でできた満月にとろろ昆布をつけている

桂馬・腰板作業には、
・ひかりものを使わない
・色の変わらないものから作る
…などのこだわりがあります。

ひとつひとつ細くセンスが必要な作業。
そんな難しい作業を上田さんは、

「(細工を)やりだしたら面白かった!」
「どこに行っても、ずいき神輿に使えないだろうか?って材料を考えている」

とおっしゃっていて、この作業にとても熱心に、楽しんでとりくんでいる様子でした。
また、上田さんのお宅にある、細工の材料や資料の量と種類に驚きました!

上田さんが丹精をこめてつくった桂馬・腰板を
ぜひ当日<何でできているのかな?>って想像しながら見てください!

本日は石毛がお伝えしました。