9月6日(木)真紅づくりについて〜その2〜

夜なべ作業は4日目を迎えました。
今日の天気は雷を伴う雨。
最近は雨が良く降って大変ですが、雨が良く降るほうが作物の成長に良いということです。
そう考えると、雨の日も良いものに思えてきました!

【今日の作業】
・千日紅を糸に通す
・糸に通された千日紅を柱に巻きつける
・縄にしていく作業
今回は、引き続き【真紅(しんく)】作りの作業の様子についてお送りいたします。
その中でも、真紅づくりに欠かせない「糊(のり)」「千日紅の栽培」について詳しく紹介いたします。

<千日紅の栽培について>
千日紅は、「千」という字が多さを表していることから、長期間美しい紅色をしていることに由来しています。
去年の真紅を見てみると少し色合いが変わっていますが、一年経っても紅色が保たれていて驚きました。
(左:去年の真紅・右:今年の真紅)

ところで、ずいき神輿保存会では、千日紅などのお神輿製作につかう作物をいくつかの畑にわけて育てています。
土地によっては作物の状態が異なるために一つの畑で育てていると、
もしも作物の成長が良好でなかったりする場合、お神輿を作ることができなくなってしまいます。
そこで一か所で栽培せずにいくつかの畑にわけることで、毎年ずいき神輿が作られていきます。

野菜や麦米・草花・干物で作られるずいき神輿。
美しい神輿を完成させる大変さや、毎年神輿づくりをするためにいろいろな工夫がなされていることがわかりました。
次に真紅づくりで使われる糊について紹介します。

<糊について>
柱に千日紅を貼りつけていく際に、接着剤として洗濯糊が使用されます。
ここで使用されているのは、小麦粉製の洗濯糊です。
(洗濯糊)
大昔はおそらく米粒をつぶして糊としていたのではないか?
といったお話を伺いました。
衣類のシャツなどをパリっと仕上げる際にも使われるのですが、最近はあまり見かけないですよね。
私は初めて見ました!

*真紅づくりのための糊の準備*、
洗濯糊をおわんに少量ずつ出してだまにならないように、水をくわえながらかきまぜます。
⇒この際、糊が団子状に固まっていると千日紅を貼る際に滑らかに仕上がらないばかりでなく、
翌年の作業を開始する際に柱に糊が固まってしまい、表面を削らなければならなくなります。
また、洗濯糊は乾くと乾燥してしまうので、濃度や混ぜ具合は経験によって調節されます。
(洗濯糊をかきまぜる作業)


ここで疑問をひとつ。
そもそも、なんで「洗濯糊」を使うのか?

翌年の作業のために前年に貼りつけられた千日紅は柱からはがされます。
その際、化学質の糊をつかうと、強力すぎてはがせなくなってしまいます。
その点で洗濯糊ははがしやすいので柱に接着するのに適しているそうです!

毎年行う作業であるので、翌年のことも考えておこなわれていました。
一人一人の丁寧な仕事があわさり、美しいお神輿ができていくのだと思うと、
完成したお神輿の姿がいっそう楽しみになりました!
真紅作業もあと一息。続きの作業についてはまたアップしていきます。

本日は石毛がお送りしました。